「フリーランスとして起業したい。しかしお金が心配」と考えている人も多いのではないでしょうか?
個人として独立するフリーランスは、比較的独立するためのお金がかかりませんが、それでも独立するためには一定の資金が必要です。
フリーランスとして起業するために必要になる資金と、資金調達方法について詳しく解説していきます。
これから起業を検討している方はぜひご覧ください。
フリーランスとして起業するためにはいくら必要?
フリーランスとして起業するためにはいくら必要になるのでしょうか?
起業時にかかるお金は「どのようにして起業するのか」によって大きく異なり、具体的には以下の3つのケースが考えられます。
- 自宅で起業する場合
- オフィスで起業する場合
- バーチャルオフィスで起業する場合
フリーランスとして起業するために必要なお金を詳しく解説していきます。
自宅で起業する場合
自宅で起業する場合には、基本的には以下のような事務用品や通信関連費用しかお金はかかりません。
- パソコン:15~30万円(office等込み)
- 起業に必要なソフト(Photoshop、Illustrator等):1~3万円程度
- プリンター:5~10万円程度
- シュレッダー:1~3万円程度
- 電話機:1万円程度
- 文房具・コピー用紙:1~5万円程度
自宅でフリーランスとして起業する場合には、上記の事務用品や通信関連の費用で多くかかっても50万円程度でしょう。
もちろん、すでにPCをはじめとしてこれらの設備を揃えている人も数多く存在します。
フリーランスとして起業する前から、副業で仕事をしていたケースでは、特に起業のために購入するものがないことから、費用0円でフリーランスとして起業することも可能です。
オフィスで起業する場合
オフィスを借りて起業する場合には、上記の事務関連費用の50万円の他に、オフィスを借りるための費用が必要になります。
物件を借りる際には、初期費用として以下のような支出が必要です。
- 仲介手数料:1ヶ月分
- 前払い家賃:1ヶ月分
- 敷金:1ヶ月〜2ヶ月分
- 礼金:1ヶ月〜2ヶ月分
オフィスを借りるためには家賃4ヶ月〜6ヶ月分が必要になるので、例えば家賃30万円のオフィスを借りるのであれば120万円〜180万円もの費用が必要になります。
このケースが最も起業にお金がかかるケースだと言えるでしょう。
バーチャルオフィスで起業する場合
バーチャルオフィスやレンタルオフィスなどで起業する場合には、実際にオフィスを借りるよりも起業にかかる費用はかなり抑えることができ、具体的には以下のような費用がかかります。
レンタルオフィスの場合
- 入会金:1万円~15万円程度
- 保証金:5~15万円程度(1か月の利用料相当)
- 月額利用料:5~15万円程度
バーチャルオフィスの場合
- 月額利用料:3,000~30,000円程度
- 専用ロッカー:3,000円程度
- 郵便受取・転送サービス:1,000~3,000円程度
- FAX番号:3,000~5,000円程度
- 電話代行・秘書サービス:月額1,5000円程度
レンタルオフィスが10万円〜45万円程度で起業することができ、実際のオフィスを持たないバーチャルオフィスの場合には初期費用5万円程度です。
フリーランスとして起業する方は、自宅やカフェなどで仕事をするので、「オフィスの機能は電話番号と住所だけで十分」と考える方も少なくありません。
このような方はバーチャルオフィスやレンタルオフィスで起業することによって、フリーランスとして起業するための初期費用を大幅に抑えることが可能です。
バーチャルオフィスのイメージが付かない方はこちらをご参考ください。
数ヶ月分の運転資金や生活費の確保も必要
フリーランスで起業する場合には、「必要なものはパソコンとインターネット環境だけ」という方も多いので、起業にはそれほどまとまった資金が必要ないように思えます。
しかし、起業時の初期投資が必要ないとしても、事業が軌道に乗るまでの数ヶ月分の運転資金は必ず必要になります。
自身の給料や通信量や、オフィスの賃料などの運転資金は起業する際に半年分程度は確保しておくべきです。
自宅やバーチャルオフィスで起業する場合には、確かに初期投資はほとんど必要ありませんが、数ヶ月分の運転資金は必ず必要になるものと理解しておきましょう。
1ヶ月分の運転資金を30万円とした場合には6ヶ月分の180万円〜200万円程度の資金は確保しておかなければなりません。
フリーランスで起業する資金を調達する方法
フリーランスとして起業するために必要な資金を調達する方法は以下の3つです。
- クラウドファンディング
- 補助金・助成金
- 銀行や日本政策金融公庫からの借入
それぞれの資金調達方法の特徴などについて詳しく解説していきます。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、事業に賛同してくれる人から少しずつ資金を募る方法です。
事業に賛同してくれる人は「この事業を応援したい」と考えて、資金を出資してくれるので、クラウドファンディングによって集めた資金は返済不要な自己資金となるのが大きな強みです。
しかし、クラウドファンディングは、事業に魅力や公共性や社会課題の解決などの特徴がないと賛同者は集まりません。
単に「プログラマーやライターとしてフリーランスとして起業する」という場合には、クラウドファンディングでお金を集めるのは実際には難しいでしょう。
クラウドファンディングで有名なのはCAMPFIRE (キャンプファイヤー)です。
賛同者を集められそうなプロジェクトがあるのであれば申し込みを検討してみましょう。
補助金・助成金
補助金や助成金を使って起業に必要な資金を集めるという方法もあります。
最も有名なのが、国が行なっている「地域創造的起業補助金」です。
この補助金は、創業に必要な経費のうちの1/2または2/3を100万円〜200万円を限度として補助してもらうことができるものです。
創業前の企業の創業計画書などから採択が行われ、採択を受けることができた企業の創業にかかる経費を補助してもらうことができます。
毎年5月頃に募集が始まりますので、中小企業庁の補助金・助成金サイトである「ミラサポ」をチェックしてください。
創業前でないとこの補助金を受けることができない点に注意しましょう。
また、地方自治体独自で創業関連の補助金を扱っているケースも多いので、お住まいの市区町村の補助金・助成金もチェックしてください。
銀行や日本政策金融公庫からの借入
銀行や日本政策金融公庫から起業に必要な資金を借りる方法です。
国は創業支援に積極的で、銀行や日本政策金融公庫から創業に必要な資金を低金利で借りることができます。
日本政策金融公庫ではインターネットで相談することができるので、起業資金融資を受けたい場合には気軽に相談してみましょう。
フリーランスの起業時に借入する方法
フリーランスとして起業する際にお金を借りる方法として、基本的に銀行融資か日本政策金融公庫からの借入という2つの手段しかありません。
起業に必要な資金をビジネスローンなどで簡単に借りるということはできないと理解しておきましょう。
銀行の創業融資
地方自治体には創業融資という制度融資が用意されています。
銀行から創業融資の資金を借りる場合、実際にはこの制度融資を借りることになります。
例えば東京都の創業融資制度の概要は以下の通りです。
- 制度名:女性・若者・シニア創業サポート事業
- 融資限度額: 1,500万円以内(運転資金のみは750万円以内)
- 金利:固定金利1%以内
- 返済期間:返済期間10年以内(据置期間3年以内)
このように、1%以内の超低金利で創業に必要な資金を借りることができます。
制度融資は、お金を借りるのは銀行で、自治体が利息や保証料を補助する仕組みになっているため、まずは銀行へ相談しましょう。
日本政策金融公庫の開業資金
日本政策金融公庫もフリーランスの起業に必要な資金を融資しています。
主な概要は以下の通りです。
- 制度名:新規開業資金
- 融資限度額: 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
- 金利:1.66%〜2.40%
- 返済期間:設備資金 20年以内(据置期間2年以内)、運転資金 7年以内(うち据置期間2年以内)
日本政策金融公庫も開業資金を1%台の低金利かつ無担保無保証で融資しています。
こちらは、日本政策金融公庫へ電話やインターネットから相談してみましょう。
ビジネスローンは利用不可
ビジネスローンでは起業に必要な資金を借りることはできません。
消費者金融などが提供しているビジネスローンは非対面でお金を借りることができ、即日融資にも対応しているため、早くて簡単ですが、決算書や確定申告書がない創業前のフリーランスは借りることは不可能です。
ビジネスローンの審査は決算書や確定申告書の内容をコンピューターへ入力して、スコア判定を行うスコアリングという方法で審査をしています。
創業前のフリーランスは決算書や確定申告書がないため、スコアリングができません。
そのため、ビジネスローンでフリーランスが起業に必要な資金を借りることは不可能です。
フリーランスとして起業するために必要な資金の借入は、銀行か日本政策金融公庫へ申し込むようにしましょう。
まとめ
フリーランスの起業に必要な初期投資はオフィスを借りないのであれば数万円程度で、自宅で起業するのであれば0円で起業することができます。
しかし、経営が安定しない起業後半年間程度の運転資金は手元に確保しておいた方がよいでしょう。
フリーランスの起業に必要な資金を調達する方法として
- クラウドファンディング
- 補助金・助成金
- 借入
という3つの方法があります。
それぞれの特徴をよく理解して、自社に合った方法で起業に必要な資金を調達しましょう。